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ユージン・スミス写真展

こんにちは、Bridal-Soraの竹中です。恵比寿の東京都写真美術館で開催されているユージン・スミスの写真展に行って来ました。

恵比寿駅の東口からガーデンプレイスに向かうと横断歩道を渡ってすぐに沖縄の「Blue Seal Icecream」があるんです。いつも寄って紅芋アイスを食べてしまうんですよね。寒かったので今回は我慢。

第二次世界大戦の戦場や日本の公害を追いかけて撮影しているイメージが強いのですが、自分の家族の写真はこんな感じ。緊張感はありませんが、構図や場所の選択、シャターを切るタイミング、完璧です。実際にたくさんのプリントをじっくり見ましたがダークルームでかなり焼き込んだりして手がこんでいる印象。プリント作業がとても上手に思いました。現在のフォトジャーナリズムはフォトショップでの画像処理が禁止されているのですが、当時の彼はいわゆるリアリズムを否定し自分ならではの表現を求めていたように感じます。

 

天性の才能を持ったユージン・スミスですが、実は17歳でニューヨークのYMCAに長期滞在したとき、名もなき日本人のフォトグラファーと出会い、そこで彼に見せてもらった写真に感銘を受けてこの道を目指すようになったそうです。名前も忘れ、どんな顔だったかもおぼろげだそうですが、もう一度会いたかったと言っていたそう。僕が日本人であるから余計かもしれませんが、なんとも不思議な気持ちになりました。

戦争、公害、LIFE誌での仕事といろいろな分野の写真が展示されていましたが、僕個人的には、彼がニューヨークに移り住んで、そこにいたアーティスト達との生活や彼らの演奏やNYの日常を写した作品がとっても印象的で気に入りました。同じ空間で顔なじみだからこそ撮れるもの。空気感や感情、そこに響いていた音や声までもが写し取られている感じがします。

LIFE誌が選ぶ大衆が求めるような売れる写真と、自分の表現としての写真が違うことへの葛藤。それを打破すべく孤独にこもったニューヨークのロフト生活。「孤独」って人を育てるなあと思います。フォトグラファーの場合は写真に深みが出る。そしていろいろなテーマに対して真摯に取り組みシャッターを切り続けたユージン・スミスの姿勢。それが今でも評価され続けることに繋がってるのではないでしょうか。

フォトジャーナリズムという分野は僕も不勉強で、正直苦手です。仕事がら「綺麗に撮りたい」という気持ちが強すぎてなんだか自分の世界を狭くしてる気がしていたんです。あまりに商業的になりすぎていたのかもしれない。今回の写真展を見て、写真というメディアの可能性、世界はもっと自由で広いものと感じました。もっと仕事以外でもカメラを持たないといけない。

写真美術館の出口が好き。床のデザインや光の入り方が好きなんです。

外にでると夕陽に照らされた綺麗な空が広がっていました。

東京都写真美術館ユージン・スミス写真展