逸脱アーティスト、葛飾北斎
こんにちはBridal-Soraの竹中です。先日、上野の西洋美術館で開催されていた「北斎とジャポニズム HOKUSAIが西洋に与えた衝撃」を見てきました。
今から150年前に日本は開国し、西洋の文化が伝わると同時に日本からも西洋に文化が出て行きました。富嶽三十六景で有名な葛飾北斎の絵は海外で圧倒的な支持のもとに人気を得て、またアーティストに多大な影響を与えたそうです。
今回の展示会は、北斎の絵が誰にどのように影響を与えたのかを有名な芸術家をたくさん持ち出して具体的に検証、考察しているものですが、当時、北斎自身それまで日本国内では大きな評価をされていなかった。にもかかわらずどうして海外で絶賛されたのか?僕が知りたかったのがここでした。
僕たちフォトグラファーの世界では、海外の作品が圧倒的に価値があります。日本は世界一優秀なカメラを作る国。でも肝心な写真、つまりカメラから作り出される媒体にたいして力を注いでこなかった。また芸術という分野に重きをおかない教育をしてきました。だから残念ながら「デジタルカメラがあるんだから誰でも綺麗な写真撮れるでしょ」という認知が一般的になっているのが現状です。アメリカで写真を勉強して、向こうで写真というものがアートとして認められている現状を知ってる僕としては本当に歯がゆい思いがするんです。
それと、World Photographic Cupという写真のワールドカップがあるのですが、そういった海外のフォトコンテストでも日本人は全く勝てない。アジアのどの国よりも評価されていないのが現状です。海外で評価される写真とはいったいどんなものなのか?そのヒントを得たかった。
結論から言うと、北斎が描く絵は当時のヨーロッパの芸術世界の常識から逸脱していたということです。また絵画とはこうあるべきだ的な手法に当時の画家達が少々嫌気をさしていた時期に、全く新しい斬新な手法でリアルに日本を描いた衝撃も多かったんじゃないかと思います。その衝撃は想像を超えるものだったようで、いわゆるジャポニズムという文化を作り上げた。絵画だけでなく、装飾品や工芸品にいたるまで北斎の影響を与えたようです。
じゃあ、自分がこれから今まで撮ってきた自分の世界観をどう逸脱していくのか、、、?すぐに答えは出ません。北斎も自分が逸脱したいと思って描いてた訳ではないでしょう。描きたいものを描いていただけ。でも自分流の作風を出そうと努力はしているはずです。芸術分野ですぐに結果は出ない、、、。僕も日々努力だなあと感じました。でも、なんとなく続けるのではなく常に「逸脱」というキーワードを頭に入れながら。