継続は文化を産み出す
こんにちは、Bridal-Soraの竹中です。秋晴れの気持ちいい日曜日。今日は僕の大好きなカーライフの中でもモータースポーツのお話を。
今年も鈴鹿サーキットで開催されたF1日本グランプリを観戦してきました。鈴鹿はSMSCという走行ライセンスを持っているのでほとんどのレースを無料で観れるのですが、夏の八耐と、秋のF1だけは別。七月に駐車場と西コースチケットを購入し、楽しみにしていました。
僕が高校生のころ、日本にF1ブームが訪れ「音速の貴公子」ことアイルトン・セナがホンダエンジンと共に大活躍し昭和シェル石油のCMでも「セナさま〜」と老若男女が大興奮した頃があったんです。ホンダは市販車でもNSXという他とは格の違うクルマを売り出し、ようやく日本車が「安くて壊れない、でも長くは乗らない使い捨ての道具」から脱却し、文化として根付きはじめたのかな?という時代でした。
セナがドライブしたマクラーレンホンダMP4/6。セナは鈴鹿のスプーンコーナーで「神を見た」という名言を残しました。
日本人で初めてF1ドライバーになった中嶋悟が駆ったロータスホンダ。黄色のキャメルカラーが印象的でした。その後、鈴木亜久里、片山右京と日本人ドライバーが続き、F1人気も右肩上がりに。どのスポーツも同じですが、日本人が活躍すると人気でます。しかしその後、リーマンショックで日本の自動車メーカーは軒並みモータースポーツから撤退。ラリーで名を馳せた三菱やスバルさえもレースの世界から姿を消してしまいました、、、。
日本のF1人気も低迷し、観客数も激減、、、。ホンダは数年前にかつての盟友マクラーレンと組んで再起を果たしますが、全く勝てずに低迷中、、、というここ数年だったんです。
それが今シーズンは強豪レッドブルの弟チーム「トロ・ロッソ」と組んでデビュー。来シーズンは本命のレッドブルともタッグを組み、計4台を走らせることになりました。天才デザイナー、エイドリアン・ニューウェイが作る「車体はいいけどルノーエンジン遅かった」クルマにホンダパワーが乗るだけでやはりワクワクするもの。それに加えて今年F1開催30周年の鈴鹿サーキットが来年以降も開催する契約を更新し、より期待感が高まります。
「メイドインジャパン」のプレミアム感は残念ながら日本人が思っているほど海外では感じません。確かに壊れにくい製品多いですが、そこにワクワク感は少ない。それと日本車に限ると、未だに使い捨て感が高く、それにはメーカーの部品供給期間の短さというのが大きな理由として存在します。クルマはあくまで商品だという認識から外れられない。なので日本国内でクルマ文化が育たず、若者のクルマ離れが進んでいるように思えるんです。
「儲かるからレースをする」のではなく、「クルマ文化としてレースを続ける」ことの大切さ。僕たち写真館も全く同じです。弊社スタジオオレンジでは「リビングに幸せを飾ろう」をキャッチコピーに日々奮闘しています。そこには「日本で写真文化を根付かせる」という僕の大きな目標があるんです。
この想いのページにその理由を書いてあるのですが、9年前にスタジオをオープンした時はなかなか理解されませんでした。当時は着せ替え人形のように子供に派手なドレスや着物を取っ替え引っ替えしてアップのニッコリ笑ってる写真が日本では主流だったんです。それでもコツコツと僕が理想とする写真を撮り続けると共感してくださるお客様も増えてきました。去年には兵庫県宝塚市にも出店でき、地域のみなさまの中にオレンジの輪が広がりつつあります。
鈴鹿のF1グランプリも今年久しぶりに観客数が計16万人を超えました。決勝の日曜日だけでも8万人。これは負け続けながらもこの数年F1に参加してきたホンダと、長年に渡って開催を続けてきた鈴鹿サーキットの努力の賜物でしょう。もちろん、ホンダは数回に渡ってF1から遠のいた時期があり、それが現状勝てない大きな要因でしょう。それがわかっているから意地でも続けてほしい。儲かる儲からないではない、続けることはもっとも大切なことなんだと僕は信じでいます。文化が根付かないと、その分野に未来はないのだから。鈴鹿サーキットを作った本田宗一郎の想いをやり遂げるのはホンダの本当の仕事なのだから。